特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限について
特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限について
平成18年の税制改正でもっとも注目されていると言っても良いのではないでしょうか? 実質1人オーナーの中小零細企業にとっては、この特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限によって、 大幅に税額がアップすることも考えられます。
概要と背景
平成18年の税制改正により、「特殊支配同族会社」に該当する場合は、
その法人の「業務主宰役員」に支給する給与のうち、給与所得控除額に相当する金額は、原則として損金に算入されないことになった。
→平成18年4月1日以後に開始する事業年度からの取り扱い。
平成18年5月1日の新会社法施行により、最低資本金の要件が撤廃されたこと、1人会社が設立可能になったこと等により、 節税目的の法人成りが容易になったため、それを抑制する狙いがあるとも言われているそうだが、私には実際のところは全然わからない。
でも、せっかく法人成りしやすいようになったのだから、わざわざ抑制することもないように感じる。
それにしてもわからない言葉がたくさんある・・・。
まずは業務主宰役員って何?
税務上の役員のうち、実態としてその会社の経営にもっとも関わっている役員を言う。
オーナー社長・・・といったイメージ。ちなみに、常に1人の特定の役員のみを指すものと理解される。
では特殊支配同族会社って何?
その事業年度の終了時点で・・・
前記業務主宰役員及びその同族関係者が、 株式などの90%以上を保有し、かつ、 常に職務に従事する役員の過半数を占めている同族会社のことを言う。
同族関係者とは、業務主宰役員の親族、内縁関係者、使用人などを指すので、 要するに、オーナー社長とその家族親族等で株式の90%を握っていて、役員もオーナー社長とその家族親族等が占めているといった場合は、 特殊支配同族会社に該当する。
・・・中小企業には、この特殊支配同族会社に該当する会社が、はっきり言って結構多いと思われる。
役員給与の損金算入制限の具体例
特殊支配同族会社に該当する、となった場合に、
具体的にどのようになるのかについて、簡単にまとめてみた。
[例] 株式はオーナー社長1人がすべてを持ち、役員もオーナー社長1人だけの会社。
→業務主宰役員が90%以上の株式を持ち、役員も過半数を占めているので、特殊支配同族会社に該当
・その事業年度にオーナー社長に支払う役員給与を除いた会社の所得が1200万円だとする
・オーナー社長の役員給与は、毎月100万円ずつ計1200万円を支給
→これまでであれば、会社の所得は、1200万円−1200万円=0で、所得はゼロになった。
もちろんオーナー社長の役員給与には、個人の所得税が課税されるが、その場合、給与所得控除が230万円発生するので、 1200万円−230万円=970万円に対する課税となった。 税率その他細かい条件は別にかかわってくるとしても、基本的には給与所得控除の分お得!というわけ。
しかし。
平成18年4月1日以後に開始する事業年度からは、この給与所得控除部分の230万円は、会社の損金に算入されないことになった。
↓
230万円については、会社の所得として課税される。
え・・・マジですか?
仮に、法人の所得に対する税率が3割だとしたら・・・
↓
230万円×30%=69万円を税金として新たに納めなければならないことになる。
税率4割なら、92万円。
特殊支配同族会社でも給与所得控除相当額の損金算入が認められることもある
■直前3年間の会社の所得金額と業務主宰役員給与の合計額の平均が800万円以下である場合
■上記の平均額が800万円超であっても、3000万円以下であり、 かつ、業務主宰役員の上記期間における平均給与額が、上記平均額の50% 以下である場合
上記のいずれかに該当する場合には、特殊支配同族会社であっても、給与所得控除相当額の損金算入が認められる。
この計算は、なかなか難しい・・・。
自社が特殊支配同族会社に該当するのか、特殊支配同族会社に該当しても損金算入が認められるのか、については、 顧問税理士に良く良く確認のこと。
特殊支配同族会社に該当しないように、株式の持分を見直す、会社の従業員等の他人を役員として迎え入れる等の対策により、 特殊支配同族会社に該当しないようにすることは可能。
しかし。
株式の持分をいじれば、後々の会社の意思決定に禍根を残す恐れあり。
他人の役員を迎え入れることも、オーナー中小企業の場合は、良く考えなければならない。
また、同族関係株主の持株比率を減らすための形式的な持株分散等は、認められない。
→法律逃れは許さない
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会社の節税に関することは・・・ 節税に詳しい税理士さんにお聞きすると良いでしょう。でも。 もしもあなたの身近に節税専門の先生がいらっしゃらなかったら・・・。 |
2006年09月17日 00:15
